鉄が錆(サビ)るのはなぜ?鉄の腐食のしくみと防ぐ方法を解説
家のフェンス、自転車、車の部品など、鉄はいたるところで使われています。強度・耐久性の高さが鉄の特徴ですが、錆びてボロボロになってしまった鉄を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
この記事では、
- 鉄の腐食(ふしょく)ってなに?
- 鉄が錆びるしくみ(腐食のメカニズム)
- 錆の原因ってなに?
- 錆を防ぐにはどうしたらいいの?
- 錆を防ぐ製品ってあるの?
など、私たちの身近にある「鉄(てつ)」がどうして錆びてしまうのか、その理由や防ぐための工夫について、ご紹介していきます。そして、鉄を長く美しく保つための防錆技術として、テック大洋工業の製品もご紹介します。
鉄の腐食(ふしょく)ってなに?

まずは「そもそも鉄の腐食とは何か?」というところから確認していきましょう。
鉄の腐食とは、鉄が環境と化学的あるいは電気化学的反応によって表面から消耗する現象をいいます。これは水の存在下で起こる腐食と水分を伴わない腐食とに大別されますが、単に腐食という場合は水の存在下で起こる湿食を指すことが多いです。
鉄が自然環境下で腐食することを、「錆びる」と言い、このとき鉄表面に付着した残存物を「錆(サビ)」と呼んでいます。錆びると、赤茶色になってボロボロとくずれたり、穴があいたりします。こうなると鉄は元の強さを失ってしまい、経済的な損失や保安上の問題を起こす可能性が出てきます。
例えば、
- 自転車のチェーンが錆びて動きにくくなる
- フェンスなどの柱が錆びて穴があく、倒壊する
- 橋やビルの鉄骨がもろくなり、強度不足となる
など、日常生活や建物の安全にも大きく関わってくるので腐食は決して無視できない現象なのです。
鉄が錆びるしくみ 腐食のメカニズム

では、日常生活の中でどうして鉄は錆びてしまうのでしょうか?
答えは、空気と水が関係しています。
鉄は、空気中の「酸素(さんそ)」と、環境下の水分を主体とした電気化学反応により、表面に錆層(さびそう)を形成します。
簡単に説明すると
- 鉄が水にぬれる
- 空気の酸素といっしょに、電気化学反応を起こす
- その結果、赤褐色などの「錆(酸化鉄)」ができる
この仕組みを、一般的には腐食(ふしょく)と呼んでいます。
錆の主な原因は?
日常で鉄が錆びる原因の一部を挙げてみます。
湿度が高い環境
雨にぬれたり、湿気が多かったりすると、空気中の酸素と鉄の電気化学反応を活発にさせて錆びやすくなります。
塩分を含む場所(沿岸部など)
海風に含まれる塩分が、電気化学反応を加速させます。また塩分は鉄表面の保護膜(不動態被膜)を破壊します。それにより、鉄表面がむき出しの状態になり進行を早めます。
酸性の環境
酸性雨や酸(硫黄・塩酸など)を扱う産業施設、下水処理施設やマンホール内など酸性環境の場所は鉄が錆やすくなります。
異種金属の接触
異なる金属が接触すると、ガルバニック腐食(異種金属接触腐食)という現象が起こり、腐食が進むことがあります。例えば、鉄と銅が接触すると、銅の方が腐食しやすくなり、鉄も同時に腐食が進行します。
鉄の表面処理が不十分
コーティングがされていない、または劣化していると腐食が起きやすいです。
こうした環境から鉄を守るために、適切な処理や製品の選定がとても大切です。
鉄の錆を防ぐ方法は?
では、どうしたら鉄が錆びないようにできるのでしょうか?
ここでは、よく使われている方法を3つご紹介します!
防錆塗装
鉄の表面に耐久性の高い塗料を塗り、コーティングをすることで、空気や水と直接触れないようにします。
亜鉛メッキをする
鉄の表面を亜鉛で覆うことでサビの発生を防ぐ表面処理の一種です。この方法を「亜鉛メッキ」といいます。
亜鉛メッキ(溶融亜鉛メッキ)は鉄のかわりに亜鉛が先に溶け出し腐食から守る「犠牲防食(ぎせいぼうしょく)」という仕組みにより錆から母材を守ります。
定期的に手入れする
汚れやホコリをこまめに拭いたり、錆が出たらすぐに磨いたり、再塗装をするのも大切です。小さな錆もそのままにしておくと、どんどん広がってしまいます。
錆から鉄を守る!テック大洋工業の防錆技術

テック大洋工業では、鉄の腐食を防ぐために金属表面処理や防錆対策を施した、さまざまな製品を提供しています。
エコストコート
“未来につなぐ、防錆のカタチ”
エコストコートは、鉛やクロムなどを含まず、人にも地球にもやさしい環境に配慮した防錆塗装システムです。子どもたちが触れる遊具や公共施設にも安心して使うことができます。また、塩害を受けやすい海岸地域や排気ガスや酸性雨などの影響を受けやすい都市部など、過酷な環境下でも高い耐久性と防錆性能を発揮します。
景観になじむ豊富なカラーバリエーションも魅力で、美しさと機能性を実現した商品です。塗料ではあるものの、水と空気を遮断することにより、金属表面に錆に強い機能を付加して腐食から金属を守る高機能の防錆塗料です。
また、錆置換型塗料と違い成分が消耗することなく金属に作用し続けます。
エコストコートが未来に貢献する理由
- 有害物質フリーで人体や自然環境にやさしい
- 耐久性が高くメンテナンス頻度を削減できる
- インフラの長寿命化によって廃棄物・CO₂排出を抑制できる
- 環境配慮型製品としてSDGs(持続可能な開発目標)にも貢献できる
テック大洋工業のエコストコートは、未来の環境と暮らしを守る選択。
これからの時代にふさわしい防錆技術です。
まとめ
今回は、鉄が錆びる理由や、それを防ぐ方法についてご紹介しました。鉄の腐食は「酸素」と「水」による自然な化学反応ですが、適切な対策をとることで、その進行を大幅に遅らせることができます。
錆は自然にできてしまうものですが、正しい知識と技術を活用することで、鉄を長持ちさせ、コスト削減・安全性の向上にもつながります。