テック大洋工業が、美しい景観を目指し使用している錆びに負けない戦う鉄。
実は、1,500年以上も前に偶然にも錆びない鉄が造られていたんです。
それはインドのデリーにあり、1,500年以上も前にアシュカ王により製作されたといわれています。
この「デリーの鉄柱」は、99.72%という高純度の錬鉄で作られており、通常であれば50年ほどで錆びてしまうのです。にもかかわらず錆びていないのは不純物であるリンが多く含まれているからなのです。
古代のインドでは鉄を熱する際に、リンを含むカッシア・アウリキュラータの根を炉の中に加えていたのです。このリンの成分が防錆効果をもたらしていたのです。
現在では、リン以外に銅やクロムなどの耐候性能促進に効果のある合金元素を適量添加し、緻密な表面酸化膜を生成させることにより、錆びの鋼材表面への密着性が良くなり、剥離しにくくなります。
このため数年で錆が安定し、鋼材の表面を覆いつくすのです。この錆のバリヤーをつくることにより「デリーの鉄柱」のような錆びない鉄を再現しています。
耐候性鋼材は、鋼表面に形成するきわめて安定した錆の被膜によって鉄の弱点である大気腐食の問題を解決できる「はがね」です。自らつくる錆が強固な被膜となって素地を保護する特性は、メンテナンスフリーが期待される無塗装使用の実現をはじめ、塗装寿命の延長など維持管理費の軽減につながります。
普通鋼を用いた鋼構造物は、大気腐食問題を克服するために、塗装やメッキなどの大気との接触を絶つ仕上げを施します。しかしこの被膜がどんなに強固であろうと、キズやピンホールから始まる被膜の劣化は時間の経過とともに進行し、剥離をまねいてしまいます。
ところが耐候性鋼材の場合、キズにできた錆はそこで安定し、素地を保護する特性があります。よってそれ以上に腐食が進行せず、結果塗装の寿命を延長することができるのです。
何となく理屈にあわない気がしますが、安定した錆に覆われている状態が腐食に対して一番効果を発揮するのです。
普通鋼は、表面に錆が発生した後、年月の経過につれて再度、錆の発生を繰り返します。
耐候性鋼材は、合金元素を添付し、緻密な表面酸化膜を生成させることにより、1潤オ5年の間に錆が安定し、鋼材の表面を覆いつくしてしまいます。これにより腐食の進行が非常に遅くなるのです。
下図は普通鋼と耐候性鋼の腐食量と暴露期間を比較したグラフです。
このように耐候性鋼材は普通鋼に比べ、錆層が形成されるまでの腐食量や期間も短く、以降も安定な錆層を通じて、普通鋼より腐食がゆっくりと定常的に進行しているのがわかります。
テック大洋工業では、耐候性鋼材専用の環境対応型高機能性塗料「エコストコートPW」を使用することにより、「さび安定化機能」を持ちながらもあらゆる都市景観のニーズにお応えできるさまざまなカラーリングに対応いたします。快適環境を創造する色彩計画において、最適な景観素材といえます。
テック大洋工業は、耐候性鋼材の優れた特性を、初めて公園施設に生かした実績を持つクラフトマンチームです。構造設計、製作設計に始まり、加工や塗装まであらゆる技術、工作機械、処理設備をそろえた専門工場で一貫した製作をおこない、最高品質の製品をお届けいたします。さらに耐候性鋼材の専門技術を生かして、多くの景観素材との複合技術を確立し、エイジングの良さを引き出す製品づくりに情熱を注いでいます。
CAS-TENは、安定錆の形成によって基材を腐食因子から守る特性をもつ耐候性鋼材から生まれたはがね鋳物で、耐候性鋼と同等の強度と機械的性質を持ち合わせています。また、冷間加工、熱間加工、ガス切断など、加工性も優れています。
耐候性鋼製品のトータルメーカー、テック大洋工業が開発した景観素材です。
安価な型鋼材と耐候性はがね鋳物を溶接することによって、強度と耐久性を確保し複雑なデザインを可能にし、また合理的なコストダウンが可能になりました。
![]() 無垢な鋼材に向かってあらゆる腐食因子が襲いかかる。 |
![]() 腐食因子になんか負けないぞ!と、錆が頭を持ち上げる。はやく安定して強潤オい酸化被膜になるんだ! |
![]() ついに安定錆が鋼材を覆い、腐食因子から鋼材を完璧に守っている。ちょっとぐらい傷ついたって大丈夫。またすぐに強潤オい酸化被膜になって、守ってあげるんだ! |
引張強さ(N/mm²) | 降伏点(N/mm²) | 伸び(%) | 絞り(%) | 硬さ(HB) | 衝撃値(J) | Notch V/U |
539 | 354 | 32.2 | 51.0 | 159 | 20℃ | 48.8/77.8 |
0℃ | 67.9/95.4 | |||||
-20℃ | 19.3/88.7 |
備考 | 1)供 資 材: | JIS G0307 3. 2. 1 (a)ブロック |
2)分析資材: | 砂型鋳込試料 カントバック分析 | |
3)試 験 片: |
引張試料 JIS Z2201 4号 硬さ試料 引張試料つかみ部 衝撃試料 JIS Z2202 3号、4号 試験温度 20℃、0℃、-20℃ |
板厚(mm) | 引張強さ(N/mm²) | 降伏点(N/mm²) | 伸び(%) | 曲げ試験 | 衝撃値(J)、溶接材 |
6 | 535 | 498 | 22.2 | 合格 | 131.6 |
9 | 549 | 507 | 26.4 | 合格 | 101.7 |
12 | 548 | 493 | 32.5 | 合格 | 215.1 |
備考 | 1)供 資 材: | 耐候性はがね鋳物 溶接用鋳込試験材 相手材:耐候性鋼板(板厚6、9、12mm) |
2)溶接条件: | 砂型鋳込試料 カントバック分析 | |
3)試 験 片: |
引張試料 JIS Z2201 5号 曲げ試料 JIS Z2204 1号 衝撃試料 JIS Z2202 3号 |